自由診療であるオールセラミックによる歯の治療は、保険診療が適用されるレジンの場合と比べると、必要となる費用が格段に違ってきます。レジンの場合には、保険診療で3割負担の場合ですと、一本当たり3500円から5000円程度となります。一般的な奥歯の銀の被せ物が、保険診療3割負担で1本あたり3000円程度ですから、銀歯とさほど変わりのない費用になります。これに比べて、オールセラミックの場合ですと、1本あたりで10万円から20万円となります。

保険診療の場合には、国によって診療料金が規定されていますから、どこの歯科医院に行ってもおおむね同じ料金で治療をしてもらうことができますが、自由診療となると、医院ごとに独自に料金を設定することができますので、大きな幅があります。そのため、10万円から20万円と言う10万円もの差が出てくるのです。

ただし、レジンはオールセラミックに比べると経年変化によって変色や劣化がしやすいと言うデメリットがあります。とはいっても、天然の歯であっても、タバコを吸ったり、コーヒーやお茶を飲んでいて、あまり歯磨きをしていないとヤニや渋がついて変色してしまうものですし、年齢とともに損傷もしてくるものですから、デメリットと言っても個人差があります。例えていうのならば、プラスチックの食器と陶器の食器の違いのようなものです。陶器の食器の方が傷もつきにくいし、光沢も長持ちします。オールセラミックもこれと同じで、より本物に近い自然な風合いや色目、それに透明度を再現することができます。それに変色もあまりなく、強度もしっかりとしています。そのため、一度治療してもらえば、日々のお手入れと定期的なメンテナンスさえ受けていれば、20年以上はしっかりとしたまま使えるものです。

これらの特徴を踏まえたうえで、単純に費用だけで選ぶのではなくて、お医者さんとよく相談してどのような治療方法が最も自分に適しているのかを決める必要があります。